昔の田舎のことです。我が家にも笹竹で編んだ大きめのザルがあり、梅干しを干したり、茹でたうどんを盛ったりと重宝して使っていました。野良仕事の暇な冬の時期にオヤジがせっせと編んでいたのを子供時分に見た記憶が残っています。

DIY好きな性格なものですから、いつの日か機会があれば自分も作ってみたいと思っていたところ、図らずも一緒に作ってみないかとの声が掛かり、これ幸いとばかり喜んで参加して参りました。うまく作れれば、香風流「笹ザルの作り方」とでも題した記事に仕上げようかなどと妄想しましたが、とてもとても現実はそう甘くないことが分かりましたので、今回は単なる体験記録としてまとめるだけにします。

記事内容はあまり参考にならないと思いますが、最後に「笹ザル作り手順書」の入手情報を記載しましたので、これには価値があると思いますよ。

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ザル作り体験当日

寒いですねえ、今朝は前回の初雪よりも大雪で、道路を除き畑も屋根も一面真っ白でした。積雪5cmといったところでしょうか。

ところで、一昨日、前々から興味のあった笹かご作りの研究会をやるぞ との情報が入ったので、ぜひオヂサンにも教えて下さいと無理やり弟子入りしてきました。高齢者クラブ有志の方々の活動に割り込んだのですが、あいにく午後から別件の用事が既に入っていたので、午前中だけの参加となってしまいました。

材料の準備から後片付けまで、一番大変なところは先輩方が全部面倒をみてくださり、オヂサンはおいしいところだけ参加のVIP待遇となりました。

先輩方、いろいろお世話になり、ありがとうございました。

材料

sasa
<笹>

これが材料の笹です。

名前は、なんとか竹と言うようですが、別名、おかめ笹とも言うようなので、おかめ笹と憶えました。チマキをくるむクマ笹よりは葉の大きさが小さいですね。

1本抜き出して計ってみたら、長さ1.4m、根元の太さ4mmぐらいでした。かご作りには葉っぱを取り、ヒゴ状にして編んでいきます。

編み始め

hajime
<編み始め>

編み始めの形は先輩が作ってくれました。午前中のみ参加が分かっている先輩は、全体の編み方の講義をしてくれたのですが、健忘症が進行している香風には全部憶えることができませんでした(先輩、ゴメンナサイ)。

でも、作り方手順書を用意してくれましたので、教科書を見ながら、自宅で練習してみます。材料は水に漬けておけば乾燥せず、固くならずに数日はもつ とのことで、材料を頂いてきました。

<感想>

ムムッ! これは手ごわい!! 最後まで実技指導を受けられなかったのが残念!!
編み方の手順よりも、編んだヒゴがゆるんでしまう、これを締めながら編むのが難しい!

ご覧のとおり、編み目がスカスカです。コツがあるんでしょうけど、素人にはすごい力が必要となります。先輩方にはお婆さんが編んでいるんだぞ と笑われましたが、いや、どうして、どうして。

今回は、ものになりそうもありません(弱音)。

しかし、何時の日か作れるようになるぞ! がんばるぞ!!!

孤軍奮闘

笹かご作り、難しいのは分かりましたが、このままではどうも寝覚めが悪い。一日あいだを置いて翌々日、時間ができたので(作品にするのはあきらめ)、手順書の要領を一通り最後までなぞってみることにしました。

手順確認品

kago
<手順確認>

手順書でいうところの「帯付け」と「底編み」は、挿絵の注釈を理解できなかったので帯付けは2本縄編みで、また底編みは省略したままで作業終了しました。

うん、手順書の理解困難な部分が分かれば、なにやら恰好にはなるぞ と確認ができました。

しかし、それにしても笹ヒゴ同士が滑って、さらにはヒゴをせっかく曲げても元の真直状態に戻ろうとする癖が残っているので、締めながら編むことがとても難しい。特にヒゴの継ぎ足し部では不連続になってしまい、涙がでます。

練習作品

zaru
<練習>

手順書の挿絵をアーでなし、コーでなし、と一晩考えた結果、理解困難部についてもやっとヒゴの縫い方と立体形状が解読できました。

練習材料も持たせてくれましたので、せっかくですから師匠なしで練習してみましょう。笹ヒゴが滑り、編んでも緩んでしまうのは相変わらずです。

致命的な問題点が認識できました。立体的な編み目形状は分かるのですが、その形状を作っていくための手さばき(足さばき)を教えて貰わないとその形状が作れません。

今日は、針金でヒゴを縛ったりして形を押さえながら作業してみましたが、とてもとても思うような編み目形状が作れません。

先輩! 次回はぜひプロが編んでいる姿を見せて下さい!!

ザル作り体験2日目

しかし、オヂサンもしつこいねえ。

笹かご作りの研究会、「2回目やるよ~!」 との案内が届いたので、喜んで行って参りました。

今度の開催日には予定が入っていませんので、一日中勉強ができます。前回は途中退場だったものですから、その後独学でも練習したしぃ。 それが正に今回の予習になると期待されるので、意気揚々と出かけました。参加も二度目となれば、会場の雰囲気も勝手知ったるし、メンバーも半数が前回お知り合いになっているし、今日は楽勝だな とタカをくくっておりました。

頭の中では作成手順はバッチリだし、仕上がりイメージもハッキリ浮かぶのですが、でも、目の前にある物体はナンジャコリャ状態です。やはり、笹ヒゴの弾性を抑えつけたまま、編み続けることができません。こればっかりはイメージトレーニングでの訓練では無理でした。

結局、この日も奮闘努力の甲斐もなく、挫折感を味わっての御帰宅となってしまいました。しかし、一連の作業手順を確認できたことや、地元の先輩方が作ったという大きな美しい編み上がりのエビラを見せてもらえたことなど、収穫も多くありました。

そして、オヂサンの課題は基礎的編み方を体に覚え込ますことにあることが分かりました。一に練習、二に練習ですね。

以下は、いくらかまともな恰好になってきた笹かご(ザルかな?)です。

おもて

omote
<おもて>

ジックリとは見ないでくださいね。

編み目は飛んでるし、隙間は空いてるし、笹ヒゴは折れてるし、ごまかしだらけの作品です。

でも、遠目で見ればそれなりの形になってきたでしょ??

うら

ura
<うら>

見よう見まねで底に台環も編んでみました(エヘン!)。

あとは、帯を入れる編み方と三本縄編みを覚えれば、基礎編終了だな。

<追記> 帯なし笹ザル作り にも挑戦しました。どうぞご覧ください。(2017.1月)

「笹かご(ザル)」作りの手順書をお探しの御訪問者様へ

秩父にお住いの吉田様が、「笹のザル作り(http://www.e-zabuton.net/image/yamazato-83.html)」で手順を公開されてます。 私も勉強させていただきました。吉田様、ありがとうございました。

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