園芸や野良作業などをしていると、縄や紐で物を縛るという機会はけっこうありますよね。その時に、必要なだけ縄束から引き出して縛り、縛り終わってから縄を切るという止め結びの方法があります。これなら予め思う長さに切ってから縛るというやり方よりも、縄にムダが出ないし、作業も速いですね。

sibari
<菜園支柱>
odagake
<オダ掛け>

左の写真は、家庭菜園にあるキヌサヤの支柱です。うちのカミサンは働き者で、支柱立ても一人で作業します。たまたま見る機会があったのですが、支柱を縛る紐を紐束から50cmぐらいずつ引き出して切り、数本ポケットに入れ、取り出しては縛るというやり方で作業していました。もちろんその方法でも構いませんが、昔、自分の父親から教わったオダ掛け作りの縛り方があったのを思い出しました。

「オダ掛け」とは、地方の呼び方で「ハザ掛け」と呼ぶ所もあるようですが、刈り取った稲や麦を天日干しするための「稲架」のことです(右写真参照)。オダ掛けの骨格は木材や竹材を縄で縛って組み立て、この時の縛り方(止め方)が本記事の「オダ掛け縛り」(正式名称が分からないので仮称)となります。腰にノコギリ鎌1丁、縄1束をあてがわれ、長い竹棒(長柄)を持つ父親の相棒となって、農作業を手伝いました。今から4,50年前の学生時代の話でありました。

さて、カミサンに「オダ掛け縛り」を教えてやろうと思い、念のため手を動かしてみたら、

ゲゲッ! ヤベーッ!  デキネェーッ!!

自転車乗り、犬かき、オダ掛け縛り、体で覚えたことは何十年経っても体が覚えていると教わっていたのですが、私の体は普通の体ではなかったようです。当時のおぼろ気となってしまった記憶を頼りに試行した結果、多分こうだったろうと思われる手順に行きついたので、今度こそ忘れないように記録しておくことにしました。

スポンサーリンク

止め結びの手順

注)説明の都合上、縄の端側が黒く塗ってある方、縄束側が白い方です。


<1>

<2>

<3>

<4>

<5>

<6>
  1. 最後に縄の端が手前側、上から降りてくるように縛り終える
  2. 縄束側に折り返し部を作る
  3. 折り返し部と黒端を一回からめて、引いて締める
  4. 黒端が折り返し部の縄2本をからむようにして、黒端先端にも折り返し部を作り、黒端部の折り返しを縄束側折り返し部の環の中に差し込む
  5. 縄束側の縄を引いて、折り返し部の環を締める
  6. 完全に環を締め、縄束側の縄を切って終了(必要に応じ、黒端部先端を引けば止めを解くことができる)

写真撮影上、手は添えてありませんが、<3>の縄を締めて以降、結び目の縄が緩まないよう、縄の重なり部を指で押さえながら作業を続けます。どの手順の時はどこを押さえるか、説明が容易でないので実際にやってみて、体感しながら覚えて下さい。

本法は、園芸や農作業用だけでなく、一般的な梱包作業でも活用できる止め方だと思いますので、ご存知でない方はぜひ習得してご活用ください。

暇をみて、身近にあるケーブル付きマウス、充電機用ケーブル、テーブルタップなどを使い、私も反復練習しています(芯線が傷むので締めてはダメ)。
なんたって、体が覚えてくれないと本番で使えないですからね。

スポンサーリンク

このエントリーをはてなブックマークに追加