茨城県北を流れる久慈川。

小学生の頃は、よく堤防の何処かが決壊して田畑が冠水したものですが、その頃並行して行った護岸工事と川底を下げる浚渫工事の効果か、何十年も経過した今でも堤防が壊れた話は聞いていません。

そんなおとなしくお利口さんな久慈川でも、少し機嫌をそこなえば人間の思惑などアッという間に蹴散らす力を秘めているんだと、今日は教えてくれました。

「人間どもよ、驕ることなかれ」と言っているようでしたよ。

mizube

水辺整地工事

今年の3月頃の写真だったと思います。

辰の口堰の下流側、河原の一部を堰き止めて重機が入り、河原の砂利を押しているので何をしているのかしらんと気にはしていたのですが、相当の日にちをかけて仕上がったところを見たら・・・

あらららら、堤防斜面まであった本流深みを埋め立ててしまいました。

kazokuzure

水辺を楽しむ

斜面の上は、辰の口親水公園の広場となっておりますので、もしや、親水公園への来園者が遊ぶ水辺整地を行ったのか、我が町の市長さんも太っ腹だのう と思っていました。

そしたら、ピンポーン、正解のようです。ゴールデンウィークには、大勢の家族ずれが水辺に降りて、水清き久慈川を楽しむ姿が見られました。

久慈川元の流れ

久慈川元の流れ

そして、これが今日の景色です。

広角レンズと望遠レンズとの差で距離感がずいぶん異なりますが、一枚目とほぼ同じ場所から撮っています。また、この景色が水辺整備工事前の川の流れでもありました。

工事完了後約5か月、その間に大雨増水は2回ぐらいかな、機嫌を損ねた久慈川は自分の気に入った川の流れに戻してしまいました。

人間の目には、大量の土砂を積み、流れもまっすぐに直したんだから、このまま落ち着くだろうと見えますが、自然の作る造形はなるべき理由があってなっているんですね。

今回のケースは、地形・地盤・水流の方向などが関係しているんでしょうけど、そして、それに対しては十分検討したんでしょうけど、結果はご覧のとおりとなってしまいました。

ちょっと残念ですね。

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