地方名、”ミゲー”とか”みげえ”とか言ってます。茨城弁なのであまり美しい響きとは思えません。

うちの父母もそう呼んでいたと思います。昨年のブログにも確かそんな呼び方で紹介しました。

農作業では、サトイモなどを入れる深めのザルのことなのですが、最近になってそのザルは”めかい(目籠)”と呼ぶのだと知りました。

さて、話は”藁細工講座”。 しめ縄作りも終わり、恒例となっている大寒研修会の今年のテーマは何にしようかということになりました。

去年の研修会が”めかい作り”。当時異議なし賛成、ということで取り組んでみたのですが、結局誰も作り方が分からず中途半端な形で終わっていました。

負けず嫌いなメンバーの集まりなので、当然のことながら、よし今年こそはと再び挑戦することに決まりました。

編み始める前の材料作りに時間がかかると分かっていたので、今年は2日連続でやろうという気の入れようです。

その研修日が金曜日と土曜日でした。(実は2日あればできるだろうなどと無責任な言い出しっぺは自分なものですから)張り切って参加してきましたよ。

では、輝かしい成果報告! となればよかったんですけどねえ。

2日間も研修会を開いてくれた先輩方、ふがいない後輩で大変申し訳ありませんでした。ご迷惑をおかけしました。こんなはずではなかったんですけどねえ。

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市販のめかい


昨年一年をかけて秘密の特訓を重ねた今回のリーダー役である先輩は、研修時の見本とすべく市販のめかいを持参してくれました。

カゴの目数やヒゴの大きさ、縁輪の構造など、実物が目の前にあると理解が早いです。今は貴重品なんですね、このめかいはン千円もしたそうですよ。

今回参加の私めの心構え。この講座の教え方は要点を分かりやすく教えてくれる慣れ親しんだ学校方式ではありません。

職人の世界はそうだという、やってる姿を見せてやるから盗んで覚えろ! という方式であります。

しかも、姿を見せている先輩自身が”めかい”をどう編むか試行錯誤しながら進行していく研修会。

教わる側の自分が自分の世界にどっぷりとつかり、いろいろ考えたりしていたら、次に先輩の姿を見た時には先輩は遥か先の工程を進めていたりして、途中の作業が全然覚えられないという状態になります。

去年は、これで失敗しました。去年は、結局、材料準備のための竹ひご作りの難しさしか経験できませんでした。もちろん、竹ひご作りができるようになったわけではなく、難しい作業だといういうことが分かっただけの収穫でした。

よって、今年は作戦変更! 作っているふり(?)をしながら先輩方の作業を観察させていただくことにしましたよ。エヘヘ、先輩方ごめんなさいね。

おかげさまで、竹ひご作りからカゴを編み、最後の縁輪付けまで、一連の作業のイメージが具体的に描けるようになりました。大収穫でした。

山本元帥の指導法と教わった「やって見せ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は育たず」の”させてみて”の一部の段階まで、しっかり盗ませてもらいましたよ。

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めかい作り初期段階


写真上、竹ひご(専門用語で何と呼ぶか知らない。竹を割いて作る薄い板状の編み竹)作り。

材料となる真竹は、ご自宅に竹林をお持ちの先輩が立派な2,3年ものの竹を用意してくれました。

長さ1.5mぐらいの竹を割いて、一定の幅で、一定の厚みの竹ひごを(今回作るめかいでは)24本作ります。

ひごは刃物で裂くのではなく、左右の手の力加減を調節しながら割っていく。曲げの力が強くかかる方の厚みが薄くなっていく と教わりました。

トライしてみると分かりますが、なかなか理屈通りにはいかない。24本同じ品質のひごを作るのは至難の技です。

自分の作った、これで随分薄く削いだと思ったひごの厚みでは、全然使い物にならないことが後の作業工程で分かりました。

書き忘れましたが、私たちの研修会では竹の表面側の薄肉材を使って編みました。

写真下、ひごができたら、めかいの底になる部分を作るためひごを井桁に組みます。正規めかいは縦12本、横12本の計24本で組みますが、初心者の私めの場合は作り方を覚えればよいので、より簡単だと思われる8本×2でズルをすることにします。

(だって、ひご作りが大変ですから)

井桁組みの難しさ。ひごを交差して形作られる正方形の大きさは一定していなければいけないのは分かります。

この正方形の大きさを調整するのに、ひごを動かすことになるわけですが、ひごが動かないのです!

両手の爪をひごにかけて引っ掻きますが、頑として動かない! 当て木をしてトンカチで叩いたりして動かすが、すると写真井桁の左端のようになる。

分かりますか? ひごの左端が不揃いでしょ。これは最初に私めがずぼらに組んだからではありません。

トンカチで叩いて井桁調整すると、全体の井桁ひごに影響がでて動いてしまうのであります。

じゃあ、どうすりゃいいんだよ~! って状態になってしまいます。トホホ。

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めかい立ち上げ編み


しかし、先輩方は器用ですねえ。

写真左のように、研修会2日目昼頃ともなれば、底から胴の部分への編み上げ段階に入っています。

残りをもう少し編めば、いよいよ最後の工程である縁輪付けですね。

写真右がマイ作品。

8×8のズル井桁をなんとかごまかし、底から立ち上げの編み始めに挑戦しました。

とりあえず、四辺の最初の編み方、その先、隣の辺へ進入していく編み方。なんとなく分かりました。

ガーン!! ここで問題発覚。イメージ通りひごを編むためにひごを動かそうとしたら、

うっ、動かねえ!!!

例えば井桁の最外周の正方形、ずいぶん大きくなったので小さくしたいですよね。そうやって四辺の間の扇上の空間を狭めていかないと円筒状の胴の形にならないです。

しばし考えたのですが、これってひごの肉厚が厚すぎ、ひご通しを締めすぎ合っているからじゃないでか?? それから節の部分が引っかかって邪魔しているようにも見えます。

先輩からは、ガスバーナーで炙ってみろとのアドバイスもいただきましたが、子供の頃見たカゴ屋さんの作業場には、ガスバーナーはもちろん、火鉢すら無かったんですけどねえ。

それより何より、先輩方は火など使わずにカゴを作っているじゃありませんか!

根性なしの私めは、今回はこの時点で挫折です。

残り数時間では、薄い竹ひごを作り直して再び参戦するには短かすぎます。残り時間をより薄い竹ひごを作るにはどうすればいいのだろうと悩む時間に使ってきました。トホホ。

カゴ作りに興味を持った閲覧者の皆さま、カゴ作りの肝は薄い竹ひご作りにあると悟りました。

一定した竹ひご作りができないうちは、妄想を抱かないようにしましょう!(笑)

 

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テーマがなく節操のない写真集ですが、お時間がありましたら覗いていただけるとうれしいです。

 

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