昔々のお話。世の中にカーステレオなるものが出て来て、8トラックテープやカセットテープで車の中でも音楽が楽しめるようになってきた頃。
毎日往復90kmものマイカー通勤をしていた誰かさんは、車の中で歌謡曲を聞くのがささやかな楽しみでありました。
でも、オリジナルのテープは若いサラリーマンには非常に高価であったことから、もっぱらFM放送を音源に、せっせとエアーチェックしたものでした。
あれからン十年。ある日のこと、カミさんがテレビの歌謡番組を見ながら、自分のカーステレオでも新しい曲(聞き飽きたものでない)を聞きたいなあ などとおっしゃいます。
そのつぶやきには誰かさんも全く同意なので、いかに安く、簡単に、しかも継続的に、この要望に応えていくか。
我が家の生活環境を前提に考えると、音源はテレビの歌謡番組、これなら音質はまずまず。
司会者のしゃべりが曲のイントロに入りますが、なにせタダなのでこれは我慢しましょう。
道具は、音声を取り込むキャプチャーケーブルをテレビにつないでPCに取り込むことにしました。
著作権については、コピーしても個人・家族だけが楽しむのでお咎めを受けることはないでしょう。
つまり、キャプチャーケーブルだけを入手すればことが足りるのに、けちん坊しようと誰かさんはオークションページなどを調べ出しました。
調べて正解。結局、入手したのは上の写真の商品ですが、類似の商品が何種類か出回っています。
ものによっては、録音操作に”PodSoundRipper LE”なるソフトを使っていて、そのソフトのサポートは終了していること、またこの機種は録音中のモニター音を聞くことができないので操作しずらいこと、音量も小さめであること などが書き込まれた口コミにより分かりました。
自分が入手した商品には、音声録音、データ書き出しのために、さらにはデータ編集・加工用のために”Audacity”(Ver.2.0.3)が付属します。
もちろん、Win10で動作します。付いてきた”Audacity”は有志の方々が開発しているフリーソフトであるとのことですが、極めて優秀なソフトであると直感します。
フリーソフトでこういうソフトがあるのだということを知り、入手できたことだけでも購入した価値があったと思っています。
出費は、送料込みで2.7k円でした。発注して翌日配送されましたよ。
”Audacity”起動中の画面はこんな感じです。
商品が届いて、実際に使うまでの手順は、CDに記録されている”Audacity”をPCにインストールして、オーディオケーブルをテレビとPCに接続して、具体的にはテレビのイヤホンジャックに3.5mmのステレオミニプラグを差し込み(赤白のRCA端子は遊び)、USB端子はPCの差し込み口に挿入。
そして、テレビを点けてAudacityの録音ボタンを押せば収録が始まります。取扱説明書には取り込んだデータを名前を付けて保存するまでの操作が書いてあり、記載通りの操作で問題なく使うことができました。
マイPCには内蔵マイクが付いてなく、かつスピーカーへの出力側にはイコライザーソフトなどが組み込まれていて、サウンド関係の構成が一般のPCとはちょっと違っているのですが、これも説明書通りの設定で動きました。
まだNHKの歌番組を録音した経験が一回あるだけなので、たいそうなことは書けないのですが、それでも下記の手順で十数曲の曲を取り出すことができました。
●キャプチャーケーブル接続
●テレビON、Audacity起動
・ポーズボタン&レコードボタンON
・マイク三角印を開いてモニター開始
・レベルメータ -12dBぐらいに(テレビの音声出力・マイク入力調整)
●レベル調整完了したら、ポーズボタンOFF(録音開始)
●番組が終了したら録音停止。データをプロジェクトデータ(.aup)として保存
(以降の曲取り出し・加工で失敗してもやり直せるよう原音として大切に保存)
●記録データ全体(アルバム)の信号増幅
・<エフェクト>正規化&レベラー処理
●アルバムから1曲づつに取り出す
・先頭から1曲目の終わりを見つけ、Ctrl+Alt+Iボタンにより以降のデータを新規トラックに移す
(写真に示す上の段のトラックが第一曲目、下の段が2曲目以降が記録されている録音データ)
●個別曲にエフェクトを掛ける
・上のトラック(個別曲)の先頭に無音(約2秒)挿入
・曲の最初と最後をフェードイン・フェードアウト処理
●個別曲を書き出す
・名前を付けて.mp3ファイルで
●上の段のトラックを消し、下の段のトラックを上にあげて個別曲の終わりを見つけ・・・
●録音曲が無くなるまで繰り返す
** 終わってみたらゲットした曲数は18曲でした。18曲、タダでゲットォ!!(品がないオヤジだこと(笑))
1回の録音データの細切れ作業を半日かけて頑張ってみた結果分かったこと。
〇こうなるはずだ! と思った操作が上手くいかなかった時、「日本語入力モード」になっている! 海外製のソフトは必ず「半角入力モード」で!!
〇このソフトの肝は、シークバー(他のソフトでいうカーソルやマウスポインタのようなもの)の使いこなし方にありそうです。
”Audacity”は単にエアーチェックの補助道具として使うだけではもったいないですね。
上の資料は、「無料効果音で遊ぼう!」というサイトを運営されている小森平様公開の資料の一部抜粋ですが、Audacityエフェクトについてまとめられてます。
資料中に張られたリンクをたどると、どのような効果なのか分かりやすく説明されていて、効果のサンプル音も聞くことができます。
(小森様、分かりやすい資料をありがとうございます。借用させていただきました)
資料上部に示されているサイトのメインメニューをたどれば、効果音の作り方や素材となる音部品なども紹介されています。
当面のやるべき作業が終わったらじっくりと勉強させていただきたいサイト様です。
上記資料の出典は、
”Audacity2.3.0のエフェクト解説”
https://taira-komori.jpn.org/audacityeffectstop.html
(コピペ時にはhttpsを半角文字に直してください)
です。ご興味をお持ちの方はご参照下さい。
ちょっと脱線しますが、私の身近にも知的好奇心旺盛な研究会のメンバーがおります。
今、力作のスライドムービーはカメラを振ったような運動感と題材にマッチしたBGMで構成されてますが、さらに一枚の写真映写中、10秒ぐらいですか、この短時間に写真を飾るための背景・効果音を入れるというアイデアはどうですかね?
Audacityならマルチトラック対応なので、いろいろな音を混ぜて面白い音の世界を作れそうです。
例えば、運動会の場面でコーナーで競り合っているような写真なら、「ざわついている付近の雑音・左から右へ駆け抜ける風の音・がんばれとの掛け声(親父の生声では恥ずかしいのでチコちゃん風に加工した声)」などで10秒間の音のドラマを作り、全体のBGMに混ぜ込む。
極端にいうと、目をつぶって運動会のスライドムービーを鑑賞しても、運動会の光景が目に浮かぶというような作品づくりですね。
ムフフ、楽しそうな気分になってきたけど、実際に作ってみると大変なんでしょうねえ。
でも、一考の余地ありだな。
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テーマがなく節操のない写真集ですが、お時間がありましたら覗いていただけるとうれしいです。
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