日数を数えるとお盆中に8月分の草刈りをしなければならなかったのですが、あの気の遠くなるような暑さでしょ、そんなことをしたら間違いなくブッ倒れます。

関東地方の暑さは今日あたりに峠を越えるでしょう との天気予報だったので、ジッと今日の来る日を待っていました。

さすがにこの時期、1日で終わらせるのはキツイと思って、昨日の15:00頃から刈り始めました。

心配した通り、雑草の背丈はそれほど伸びたとは感じなかったのですが、茎が成長して硬くなっていて、本日の昼頃までかかってしまいました。

もう少し馬力の大きい草刈り機が欲しくなってきましたね。

そんなわけで、昼食をとってから寄せ刈りして仕上げ、草刈り機を洗い終わったら15:00をすぎてしまいました。

シャワーを浴びたら、かったるくてブログを書くのもおっくうな状態。

もちろん、写真撮りになんぞ出かける気力もありませんから、先日ハードディスク整理をしていて珍しい写真を見つけたのを幸いに、思い出綴りをすることにします。

どーでもよい話だと思いますが、まあ香風一家の面白話。たまには聞いてくださいな。

私の育った家は農家なものですから、猫を飼っていないとねずみどもが大暴れをするといった環境にありました。

しかし、結婚して社宅に住んだり、粗末な家に建て替えたりして猫のいない暮らしが当たり前だと思えるようになったころ、カミさんが白い猫を貰って来てそこからまた猫との共同生活が始まったのです(そこから話すと長くなるので、最近の話に絞ります)。

tetu

愛猫テツのカット集


最後の飼い猫となった”てっこちゃん”の前の代の”テツ”の話。

名前をテツと言います。なんでもテツを育てた娘さんが歌手の某テツ様の大ファンで、そこから名前をいただいたとか。我が家でもテツとか、テッちゃんとか呼んでいました。

テッちゃんにまつわるエピソードは、なんといってもこの話ですね。

(--- 夕食ブレークが入ったので執筆中断したら、翌日になってしまいました ---)

テッちゃんがやってきて間もない頃の話。カミさんは家庭菜園、とっつあんは庭仕事に励んでおりました。

住まいの方からテッちゃんがやって来たので、夫婦して見ていたら庭の柿の木に登り、高さ2mぐらいある枝の上で止まりました。

すると、何を思ったのか分かりませんがバランスを崩して落下してしまいました。

普通、猫であれば落下距離が2mもあったら体をひねって体勢を立て直し、足から着地するじゃありませんか。

私たちも落下して一瞬ヒヤッとしたものの、ストンと着地するとばかり思って見ていました。

ところが、テツは受け身を取りそこなって横倒しになったままドサッと着地したのです。

予想外の展開だったので、二人して大笑い! あははは、クッ、クッ、ク! この猫、ドジだねえ。あははは。 ・・・・・・ところが、これが恐怖の始まりだったのです・・・

大笑いされている中、立ち上がったテツの表情。二人の顔をキッと睨んでから、何事もなかったように悠々とした歩き方で帰っていきました。

さて、それから1~2日後の話。主に寝室に使っている部屋の脇はサンルームになっているのですが、部屋に入っていくと妙な匂いがします。次の日も同じように匂います。しかも匂いが強くなって!

おかしいと思い、サンルームを点検すると何か大型家電を購入した時の梱包用ビニール袋でしょう、適当に丸めた塊が置いてあり、そこに黄色い液体が溜まっています。

結局、それが原因でした。幸い液体はビニールの塊の中に収まっていたので、カーペットや床材が損傷することはなく助かったのですが、テツはとんでものねえことをしやがりました。

約8年の寿命を全うするまで、その後粗相をしたことはなかったので、そのような性癖を持っているとは考えずらく、この時は明らかに笑われたことに対する仕返しだったと思っています。

犬や猫、動物にも感情があり、やられたらやり返すという反抗的・攻撃的行動をとることは十分今までに学習していますが、たいていの場合は肉体的なダメージを防御・拒否するための行動や反抗であると呑み込んでいました。

まあ、猫の場合は噛みついたり、引っかいたりするだけだろうとタカをくくっていました。

テツの場合はちょっと違いますよね。失態を侮辱されたので自分の小水を撒いて仕返ししたと受け止められます。しかも、本気で飼い主とけんかする気はない、外にこぼれないようにビニールの上だけで用を足したぞ と言っているかの状況で仕返ししています。

猫は人間語を離せないので真偽のほどは分かりませんが、もし、この解釈が正しかったら、
人間が思っている以上の高等の感情や思考を持っているのかも知れませんね。

で、この勝負、テッちゃんの勝ちかと思うとそうではありません。テツも悪い人を敵に回してしまいました。

奥様ネットワークの威力恐るべし! その行為はマーキングに違いない。テツにおとなしくしてもらうには、中国でいう”宦官”の刑以外にないという結論になってしまいました。

哀れ若武者テッちゃんは、こうして”オカマのテッちゃん”に成り下がってしまったのでした。・・・・・・アーメン。

それから、テッちゃんがプライド高い猫だということを実証する事実をもう一つ。

とっつあんが寛いでイスなどに腰かけている場面。テツもくつろいで足元で寝そべっているなんてことがよくあります。

手で体を撫でてやってもおとなしくされるがままにしていますが、足先で触ろうものなら「足蹴にするとは無礼者!」でも言いたげに起き上がって本気で反抗してきます。

その性分を呑み込んだので、なるべくテッちゃんのプライドを傷つけずに付き合うよう、気を使っていた情けない飼い主様でした。

さて、解像度が低く、大写しができない先の写真をながめて思い出話。

ときどきあどけない表情を見せるテッちゃん。昼間は屋外に出て遊び、夕方になると家の周りに戻ってきていてとっつあんの帰りを待っています。

車庫に車を入れて玄関までの短い距離を歩いていると、どこからともなく2~3m先まで駆け寄って来て、あとはノッシ、ノッシと歩いて近づいてきます。

そして目の前までくるとゴロンと横になって倒れ、さあ、家の中まで抱いて連れて行ってくれとせがむのです。

体が土で汚れるから横になるのはやめてくれと頼むのですが、とうとう止めずに他界してしまいました。

しょうがないから、前足2本をまとめて左手で掴み、後ろ足2本をまとめて右手で掴み、胸の前あたりまで抱き上げて、歩調に合わせて左手と右手を合わせたり、離したり(テッちゃんも歩いているような格好をさせられるわけです)。

♪テッちゃんとおとさんは、おしゃしみ(刺し身)、おしゃしみ、うれしいなっと。ハアー、パッコン、パッコン♪ と歌いながら玄関まで歩くのでした。

すると、テツもうれしいのか、前足と後ろ足を動かさせられるたびにウー、ウーと小さな唸り声をあげて音頭をとってくれました(不快だから足を動かすのはやめろと言っているのだと思うのですが、逃げ出すわけでもないので案外ほんとに音頭とってくれたのかも)。

とっつあんが、晩酌や食事を始めると、隣の空いている椅子に上り前足をテーブルに乗せて、お付き合いをしてくれます。

分け前を渡さずに知らんふりをしていると、早くよこせとばかり大声で鳴いてせがんできます。

朝は干しノリ、晩酌時は正に文字通り、酒の肴をせびりにやってきます。干しノリなんぞは5枚しか入ってないのに2枚ぐらい食いやがるし、刺し身も大きめの1片をペロリとたいらげていきやがります。

黙って晩酌していてもつまらないので、晩年には、といってもまだ丈夫でしたけど、好き勝手言い聞かせましたよ。

「おまえも長年生きたから、もうそろそろ化けられるだろう。海まで行ってマグロの1本も担いで帰ってこい」とか、

「お前は獣だから人間には見えない邪気のようものが見えるだろう。もし、我が家に災いする邪気を感じたら身を捨ててでも我が家や家族を守るんだぞ。

それがおまえの務めだからな。普段は食っちゃ寝で構わないし、何もしなくても養ってやるから、とっつあんの言ったことだけは忘れるなよ」とか、酔った勢いで好き勝手言っていました。

たまたま、そういう巡り合わせだったんでしょ、と言ってしまえば、それだけのことなんですが、テツに言ったことを思い出したとっつあんは、ああ、テツは言い聞かせたとおりの生き方をしてくれたんだな と後日目頭が熱くなるような体験をしたのでした。

享年75歳、私の母は晩年施設でお世話になりながら他界しました。勤務中に知らせを受けた私は当家の長男でもあり、葬儀準備のため早退して急遽自宅に戻りました。

田舎のこともあり、当時はご近所・組内の皆さまのお力をお借りして葬儀を執り行うのが風習でしたから、私の帰宅を知ってご近所の皆さまが徐々にお集まりくださいました。

病院に寄ってから帰宅したので、時刻は薄暗くなる頃になっていたでしょうか。テツは庭先でいつものように私の帰宅を待っていたのですが、様子を察して近寄っては来ませんでした。

この時、特段違和感を感じることもなく、また、その日の朝がたの状態もいつもと同じだったと思います。

寄合いが済んで皆さんが引けたのが真夜中。遅くなった夕食を済まそうとテツを呼んでも見当たりません。お勝手の掃き出しサッシ戸の前、濡れ縁の下で横たわっていました。

触るとすでに死後硬直が始まっていました。カミさんに戸を開けてもらおうと待っている時に心臓か脳の病で倒れたのでしょう。かわいそうなことをしました。

事実はそうであったとしても、私には単純にそうだとばかりは思えませんでした・・・。

実母と同じ命日。家族を亡くすという最悪の災いが我が家を襲った日に、以後の邪気を払い母の供をするように自分も死んでいく・・・ これを偶然の一致と思うことはできませんでした。

「テツよ、よくぞとっつあんの言いつけを守ったな、えらいぞ! ありがとう!!」とつぶやきながら、夜の夜中、にわか作りの棺に納めて埋葬してやりました。

明日からの母の葬儀を思うと、家族皆でお別れできなかったのが残念だったのですが、事情が事情だけにテツも分かってくれたと思います。

もちろん、葬儀も無事済み、その後に災いが続くこともありませんでした。

この話は、多少憶測での記載があるかもしれませんが、フィクションではありません。

母を亡くし、テツを亡くし、家族の心の中にはポッカリと大きな穴が空きました。

母の49日も済まぬうちから不謹慎にもテツの身代わり探しを始めることになるのですが、すでに長文になってしまいました。

機会を見て、さらに話を続けたいと思います。

tekko

面構えに惚れた


テツの後釜、”てっこちゃん”です。いつの日か本ブログに載りたくての予告出演です。

とっつあんは、てっこちゃんをささやかなる”福の神”だと思っているようですけど・・・

 

インスタグラムに投稿しています

テーマがなく節操のない写真集ですが、お時間がありましたら覗いていただけるとうれしいです。

 

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