近年はこのホームページのテーマがDIYにあることをすっかり忘れ(忘れたわけではなくて、簡単に書けるネタが思い浮かばなかっただけですが)、安易に生活ブログだけを綴っておりました。
これではいけない! そんなに長くはない人生、まじめに学んだことを成果としてなにがしかの形で残しておきたい! そんな風に思うようになってきました。
”石の上にも三年””虚仮の一年岩をも通す”ではないですが、六畳間にブルーシートを敷いて始めたワラ編み修行、箒を持ってカミさんに追い出され、寛ぐべき場所として作ったウッドデッキも洗濯物干し場として接収され、やっと辿りついた安住の地、物置の隅の一坪工房。
北風吹き抜く昭和の時代、かじかむ手つきで縄綯い、ムシロ編み、ワラ草履作り等に励んでいた父母の追体験をしたくて興味を持ったワラ細工です。
中でも、当時愛猫のテッコちゃんを亡くしたこともあって、生きていれば作ってやりたかった猫ちぐらに興味を持ち、今日まで独学で作り方を学んできました。
ほぼ3年の月日が流れ、ようやくちぐらの恰好をしたようなものが作れるようになってきて、香風流ちぐらの製作要領が固まってきました。
お譲りした知り合いの皆さまにも喜んでいただけるようになりました。もちろん、形になってきただけなので、さらに改良を加えながら美しく安定した品質で作れるように努力する段階はこれからですが・・・
今までは、ワラを整え、編んで、最後に持ち手(取っ手)を付けてという一連の手順を学ぶために精一杯でしたが、やっと一息つけるところまできたので、今度はこれを忘れないうちに纏めておきたいと欲がでてきたのです。
どのように纏めましょうか? 悩んでいます。一冊の本になるように纏めるのが望ましいとは思いますが、すでに先人が体系だってまとめておられます。また、説明図が”滑り台製作要領書”のように直線の組み合せで描けないので、手間が相当にかかります。
一方、ネットでちぐら関係の記事を読んでいると、興味がありちぐら作りに挑戦してみたが結局最後まで作れなかったという記載も多々見かけます。
詳しいことが書いてないので何が原因で作れなかったのか分かりませんが、書いてある手順が連続の流れとして伝わってこない、つまりこの説明図からどうやったら次の説明図の形になるの? とか、形が変わるイメージは分かるが両手の手指をどのように動かせばよいの? とか、目の前にいる先生の動きを見ているわけではないので、実際の連続した作業要領が伝わらない、という要素が多いためではないでしょうか。
(そう言うのも、自分の場合がそうでしたから)
私が独学で学ぶために入手できた主な教科書的情報は以下のとおりですが、多分これを見て一連の作業手順がよく分かったという人は、ほとんどいないと思います。
なぜなら、Author様が不要と思って記載を省略した言外のワラ細工の常識を、私たち素人は持ち合わせていないからです。
であれば、今、とりあえず最後まで作ることのできるようになった未熟な私ではありますが、教科書的情報の飛躍している部分を補足したり、工夫したりした部分をまとめておくことで自分なりの備忘録となり、途中挫折した方々の理解を深めてもらうことができるのではないかと考えました。
つまり、教科書風香風流ちぐら作りの要点を纏め、かつ隣に”民具の作り方 猫つぐら”(自分が教科書に選んだ書籍です)を合体させておけば、我が人生の勉強成果一つ”猫ちぐら製作法”の集大成となるはず と考えたりしています。
写真左、3作目の猫ちぐら。姪の飼い猫”クー”ちゃんに使ってもらっています。
「おいおい、クーちゃん、そんなオッカネェ目して睨むなよ! ちぐらにはオッチャンの匂いが沁みついているだろ。アイソ笑いでもしろよな」
クーちゃんは男の子でキカンボですが、ちゃんと体も触らせるし、噛みつきも引っ掻きもしません。しかし、クーちゃんをことのほか可愛がる(ろうとしている)姪の父親とは、その力関係を競い合っています。気の毒に年中引っかかれていますよ。
写真右は最新作のちぐら。よくここまで作れるようになったと自分を褒めてやりたいです。2週間以上かかって完成しました。
教科書的情報
何も知らない状態から、今日まで私を育ててくれた教科書たち。私と同じような状態で興味を持った同好の士には力強い先生役を務めてくれるでしょう。書籍2件、ネット情報2件をご紹介します。
(1)”つくって楽しむわら工芸”:瀧本広子 編 農文協 発行
B5版75ページの書籍です。表紙に表示されているワラ細工の作り方がまとめられています。
猫ちぐらを作るには、円座・おひつ入れ・猫つぐらの3作品の作り方を、通して理解しなければなりません。
自分には、残念ながら一部読み解けなかった部分がありました。
Autor様、情報公開ありがとうございました。
(2)”民具の作り方 -猫ツグラ-”:民具製作技術保存会 発行
B5版10ページの書籍(小冊子)です。
どうやら、ちぐら本場の新潟県関川村・長野県秋山郷ちぐらの原点となる由緒正しい製作法のようです。
自分の作り方の正当性を確かめるために最近入手しましたが、香風流ちぐらもほぼこのバイブルと同じ編み方で作っているのが確かめられました。ただし、持ち手の作り方は香風のオリジナルですから異なっています。
なお、何も知らない人に一から説明しようというほどの文章量で書いてあるわけではないので読み解けない部分があるかもしれません。
この小冊子を入手したい場合は、インターネットで”川崎市立日本民家園 民具のつくり方シリーズ”をキーワードにグーグル検索すれば、そのページに通信販売での入手法が表示されています。定価自体は¥400でしたが、郵送料等がかかるのでほぼその倍ぐらいの振込み金額となります。
民具製作技術保存会編集研究グループの皆さま、情報公開ありがとうございました。
(3)”藁細工 猫つぐら 底編み”:(Autor 藁竹茅 様)
写真上、インターネットの記事情報です。”藁竹茅 藁細工 猫つぐら 底編み”をキーワードにグーグル検索して下さい。
猫ちぐら作りの主要全工程が7分割記事により網羅されており、全体を理解するにはとても良い教科書です。
Author様が実際に製作した経験をもとに、具体的な編み方をまとめてくれていますから非常に参考になります。
ページ下にあるリンクで次の記事にジャンプすることにより、全記事を閲覧できます。
Autor様、情報公開ありがとうございました。
(4)”あこがれの猫ちぐらへの道①ワラのすぐり方編”:(Autor あめちゃん母ちゃん by Zf003971 様)
写真下、ユーチューブの動画です。タイトルのダブルコーテーションマークのキーワードを入力してグーグル検索して下さい。
タイトルの番号①から⑨まで9本の動画がアップされています。ちぐら製作完了まで主要工程ごとの作業要領と実際の手指のさばき方が勉強になります。
お玉を改造した刺し針がとても使いやすそうに見えたので、自分も作ってしまいましたよ。
Autor様、情報公開ありがとうございました。
とりあえず、猫ちぐら作り、いざないのページを書いてみました。次は準備編を纏めてみたいと思いますが、具体的な説明図は描ききれないと思うので、写真で対応したいと考えています。
ということは、実際にちぐらを新たに一つ作るという作業をすることになるわけで、日常生活の合間を見つけて修行している都合上、連続投稿には無理があるということですね。
まあ、先は長いのでのんびり行かせていただきます。よろしくお願いいたします。
<次の記事は、猫ちぐらを作ろう(2):準備編 です。クリックしてください>
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テーマがなく節操のない写真集ですが、お時間がありましたら覗いていただけるとうれしいです。
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