関西地方では、一家に一台たこ焼き器があるという。

それなら関東地方だって負けないぞ、我が家には一家に二台たこ焼き器があります。

何がきっかけだったか思い出せないのですが、この歳になって急にタコヤキを焼けるようになりたい、そんな気持ちがムラムラと沸き上がったのでございます。

小学生時分、妹と一緒にオヤキのおやつを食べたいなと思い、消し炭を起こした七輪に埃だらけのオヤキ型の鉄板を乗せ、材料は水溶き小麦粉とアンコ代わりの砂糖を使ってトライした無謀な挑戦。惨めな挫折感だけ潜在意識に残っていたんですね。

今となれば、じいちゃんでもこんなおいしいおやつを作れるぞ と孫に自慢したい気持ち。

そんな心理が、たこ焼きをマスターしたいという気持ちになったんですかねえ。

dougu

2台のたこ焼き器


とにかく道具がないことには ということでネット徘徊をしてみると、テフロン加工主流の電気式たこ焼き器、テフロン加工プレートなるもカセットボンベ使用のガス式たこ焼き器、昔ながらの鉄板たこ焼き器、と3つの方式のたこ焼き器が販売されています。

その中で、”簡単構造で丈夫、手入れを怠らなければ一生使える、そして旨い!”の評判がある鉄板たこ焼き器。

ワタシャ余命が何年あるか、そんなことも気付かずに、こういう宣伝文句に弱いんですよねえ。鉄板たこ焼き器を選びましたよ。

写真の2つが我が家のたこ焼き器です。どちらもIHコンロ・ガス火対応となっている機種で、鉄板底部の厚みが厚いです。多分温めにくく、冷めにくい特性があるはずです。

(自分のように手ノロ(作業がノロマ)な人間には、温度感度が鈍い方が使いやすいかな?と・・・)

最初に入手したのは左側。持ち手が付いているのと穴の配置が円形に近いので焼きムラができないだろうと考えて。

使ってみたら、もう少し大きいタコヤキ、そしてもう少し数が欲しいなあと思い(縁の土手が高い、およびプラス2個)、また返し時に周囲の生地が切りづらいなあとも感じ(四角に切りたい)、安くて良さげなユースド鉄板を見つけたので、追加買いしたものです。

で、どうだったの? 美味しく焼けたの? ・・・

聞かないでください、世の中そんなに甘くありません!

身近に指導を乞える人がおりません。いい歳こいて再び挫折感を味わったのでございます ・・・ ・・・ (涙)

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たこ焼き中


泣き言は後にしますね。今ではこの程度に というところを先にご披露。

上段の写真は、第一難関を通過したあたりです。

まずは、写真撮影もあって、久々のタコヤキ作りですから、ていねいに予熱して鉄板を温めました。

その後、油を引き直し、第一関門突入!

一連のたこ焼き作業の中には、ストップウオッチのスタートボタンやカメラに触れないほど、全神経を集中して手際よく作業しなければならない場面が2回あります。

16個の穴に生地を深さ半分ぐらいに流し込み、タコ、天かす、ネギ、紅ショウガの順で一気に投入します。

これが終わっても一息つくのも許されず、残りの生地をたこ焼き器の回りの土手一杯に注ぎ足します。

(下段の写真:ここまで終われば少し待ち時間ができます。写真では注ぎ足し量が少し足りませんが、この場合タコヤキの大きさが少し小ぶりになります)

第二関門は、初回の返し作業です。

生地の注ぎ足しが終わり、返し作業のタイミングが来たら、焼けている穴のタコヤキは速やかにひっくり返さなければなりません。

この時も16穴近く、一気に返すわけですから休めません。急がないと、返していないタコヤキが焦げてしまいます。

その後も、初回の返しほどの緊迫感はないものの、うまく丸められず穴の周りに残っている生地を穴の中に押し込まなければなりません。

まあ、16個分の生地を全部丸い形に整えられれば、あとは適当に転がすだけなので余裕なんですけどね。

yakiagari

召し上がれ


鉄板からお皿に盛り直し、ソース、マヨネーズ、アオサ、かつお節を掛けて、さあ召し上がれ! となります。

この日は、2回焼きました。上の皿はカミさんの分。マヨネーズはいらないというのでマヨネーズ抜き。

自分用にはマヨネーズを掛けていますが、今回は出口1穴の普通のマヨネーズ。やはり、タコヤキには小さい穴が3つ開いていて、多数の糸状にみえるマヨネーズを掛けた方が見栄え良く感じます。

* タコヤキ7、8個でご飯1膳分のカロリーとか、食べすぎ注意!

<たこ焼き爺さん開眼のお話>

たこ焼き器選定時、たこ焼き器の手入れや焼き方をいろいろな動画のネット先生から教わっていました。

素直な生徒であるジサマは、もちろん教え通りシーズニング(鉄器の油ならし)を行いました。

たこ焼き器入手後、油煙が枯れるまでの加熱・放冷を3回、最後に野菜くずを炒め、小麦粉だけを使った模擬タコヤキ作りも行いました。

そして期待に胸弾ませて、本番のタコヤキを焼いてみたところ、ものの見事に生地が鉄板に焼き付き、ひっくり返すどころの騒ぎではありません。

脳裏に浮かんだのは、しまった! シーズニングに失敗したのか ということばかりでした。

確かこの時は、もう一度同じようにシーズニングをやり直したと思います。

不安な心持ちで再度本番焼きに挑戦してみても、結果は同じようなもので改善は見られません。

そりゃそうでしょう。リアル作業における火加減や所要時間、焼けていく具材の微妙な変化など、(一回成功体験をすれば分かるであろう)我が家独特の環境における作業条件が、動画からは教えてもらえていないからです。

いやー、これには困りました。教わろうと思っても身近に実際にタコヤキを焼いたことのある経験者が誰もいないんですよ。

このまま、やみくもに試行を繰り返しても食物ゴミを増やすだけだと悟ったので、諦めることを考えた時でした。

こちらをチラ見していたカミさんが手を出してきたのです。タコヤキを焼いた経験はないと言っていたのに・・・ 我が家の料理長としては何か感じるものがあったのでしょう。

カミさんが事態を収集するために試行する姿を見ていて、この場面の本質が見えたような気がしてきました。

シーズニングはほとんど終了していたのです。ただ、完了はしていなかったのです。

そして、手ノロなジサマが16穴ものタコヤキを相手にするための時間かせぎの方法も分かりました。

<カミさんの行動>
ジサマがうまく返せず、グチャグチャになった具材と鉄板から剥がれた焦げクズのある穴に対して、

● 油を垂らしながら、ピック(鉄串:丁とじ)で穴の中をカリカリ、ゴシゴシ、グリグリ。焦げ生地を無理やり剥がして取り出しています。

● 手間がかかると分かれば、コンロの火を消しました。

● 別の穴には、ピックをグッと刺し込み無理やりグルグル。生地が剥がれずグチャグチャになる部分もありますが、油を垂らしてみると生地が裂けて回り出す部分もあります。

しばし格闘していましたが、最後には全ての穴の生地をきれいに剥がしてくれました。

食べられそうなタコヤキもどきの塊を試食してみたら、旨かったです!!

ハハーン、そういうことだったのかあ! と閃いたので、鉄板をきれいに拭き上げ油を塗り直して、残っていた生地を焼いてみました。

思ったとおり、焼き付きはあるもののジサマにも返せる(ピックを刺して回せば生地が鉄板表面から剥がれて回る)穴がありました。

結局、カミさんの行動から、鉄板に油を馴染ませるには、それなりの回数タコヤキを焼く必要があるということ、こまめに温度管理(火加減)をしなければならないということ、を学びました。

* 加熱・冷却の履歴を重ねて油は馴染んでいくんだそうです。
(ということは、使用初めはアヒージョ用に数回使えば、シーズニング作業はいらないのでは???)

その後、ほぼ時を同じくして、もっと早く出会いたかったなあ と思う動画を見つけましたのでご紹介(マイたこ焼き器と同じ機種をお使いです)。

動画タイトル: ”IHで使えるたこ焼きプレートで1人タコパするで【パナソニックたこ焼きプレートZ-TK1】”

制作者: 人生サイキドウ通信-Met- 様

オーナー様は、ワイルドに対応して私が悩んだ壁を乗り越えられ、非常に参考になりました。 ありがとうございました。

<ご参考>

今、たこ焼きを焼く時に気を付けていることを書き留めておきます。

●初回は予熱

鉄板が常温に冷えている状態から焼き始める時は、・約5分 ・白い油煙が出始めるまで を目安に、鉄板を予熱する。

そして、火を止め、前回の油をきれいにふき取る。

(基本的に鉄板の水洗いはしない。鉄板にカスが残っているようなら割り箸の先などで削ぎ落して掃除する)

あとは、手順通り。火を付けて、油を引いて、具材を入れて。

●火加減は、ガスコンロ弱

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火加減は弱


今は卓上カセットガスコンロを使って焼いている。ベースとなる火力は弱。予熱時の火力もほぼ同じ。

●返し始めは、3分後

・生地の継ぎ足しが終わってから3分後 ・生地の端(薄い部分)が剥がれる を目安に、火が通りやすい穴から返し始める。

途中、焼け加減をみながら必要に応じ火力調節を行う。

・・・と、こんな感じで焼いています。

焼き上がりは、生地の継ぎ足しが終わってから15分後ぐらいになっていますが、もっと美味しい味に仕上げるには火力を上げて焼けるように修行しないといけないようです。

どうですか皆さま、ご一緒に美味しいたこ焼きを焼いてみませんか。

たこ焼き器は、ネット市場で送料込み1000円台、具材は生もの以外(我が町の)百均でも手に入りますよ。

 

インスタグラムに投稿しています

テーマがなく節操のない写真集ですが、お時間がありましたら覗いていただけるとうれしいです。

 

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