春は名のみの風の寒さや、お寒うございます。立春が過ぎましたのでそろそろ巣穴から顔でも出すことにしましょうか。

早速ですが、やっとちぐら編みを始める気分になって参りましたので、よろしくお願いします。

内容的には、、”猫ちぐらを作ろう(3) 道具編”の続きとなります。

仕上げるちぐらの大きさは、本場の規格で”中サイズ”と呼ばれるほどの、底直径: 36cm、高さ: 30cm、入り口大きさ:11×13cm、ぐらいのイメージで編みたいと思います。

それから、使用するワラは地元の農家が生活ワラとして保管しているワラを分けてもらっているので、物の本に書いてあるような一定品質の工作用ワラではありません。

自分の場合は、たいていの本が2本差しと書いてあるのに対し、細いワラも有効に使うため一差し(1目を編むためのワラの本数)当たり4、5本のワラを使うこともあります。

もし、本記事を参考にご自分で試される場合は、入手されたワラの品質により各自調整下さい(編んだワラの幅が一定になるように本数を変えること)。

では、手元にワラごしらえを終えたワラ(60cm長)を用意し、霧吹きで適度に湿らせてから始めましょう。

<編み始め:手編み>

p0-1

写真0と写真1


(1) ワラ1本を取り出し、根元から人差し指にクルクルと巻き付ける。穂先20cmぐらいは巻かないで残す。

** この20cmぐらいの部分が芯ワラ(ワラ芯)の種となって太く長く成長していきます。ちぐらは芯ワラが一筆書きのように壁を形成していって雪のカマクラのような形になります。

p2-3

写真2と写真3


(2) 穂先(芯ワラ)が右に見えるように持ち、ワラ1本をワラ環の向こうから手前に根元の方から通す。

(3) 根元から20cmぐらいの所で折り、穂先の方と2、3回撚って(右撚り)ワラ環のワラをよく締める。

** このあと、ワラを編むという動作において、ワラ環のワラ(芯ワラになっていく)を締めるということが肝となります。締めたら緩めないということが極めて大事です。

p4-5

写真4と写真5


(4) 撚りワラは芯ワラに沿わせ、芯ワラの一部とする。

(5) 次に、ワラ1本分(一差しのワラ幅分)の隙間を開けて右側に、ワラ1本を差す。

p6-7

写真6と写真7


(6) 撚って、芯ワラに沿わす。

(7) 3本目の差しワラも2本目に倣って同様に編む。

p8-9

写真8と写真9


(8) 一周すると、こんな感じのドーナツになる。2周目も同様な編み方で作業を進めるが、この手差しの作業は、ドーナツの穴が無くなるか、もしくはドーナツの直径が7、8cmになるまで続ける(7、8cmになる頃、穴が無くなるのがよい)。

今回は、2周目から差しワラを2本に増やした。

(9) ここまでの編み方では、赤矢印で示した通り、撚りこぶがドーナツの外周にできている。撚りこぶをドーナツの向こう側(裏側)になるように編めば、この後差入れ針を使う編み方になった時に、作業がやりやすくなるというメリットがあることを覚えておくとよい(針が撚りこぶに当たらない)。

<巻上げ編み:差入れ針>

p10-11

写真10と写真11


(10) ドーナツの穴も無くなったので、ここから差入れ針を使う編み方に変える。赤点は針を挿入する位置を示したものであり、前の周の芯ワラと芯ワラの間である。

** 要するに、ワラを編むという作業は、芯ワラと芯ワラを差しワラで縛っていくという作業なのです。ですから緩く縛るとちぐらの形が崩れやすくなるということですね。

(11) 円盤手前側(表側)の赤点位置から差入れ針を挿し、裏側に出た針の環に差しワラ(今回は3本)を、根元側から数cm通す。

p12-13

写真12と写真13


(12) 差入れ針を手前に引き抜くと、差しワラを向こうから手前へ通せるので、後は今までと同じように撚って芯ワラに沿わす。

ただし、ワラを引き抜く時、表にワラの節などが出ないようきれいな所を選ぶこと。

(13) 差入れ針を使って一周編むとこんな感じ。

p14-15

写真14と写真15


(14) ところで、円盤の直径が大きくなるほど一周の長さも長くなる。編み幅を同じくして編んでいるから前の周と比べると目数が足りなくなるので、適宜”増し目”を入れなければならない。

ここまででは、前の周の目(赤点)に対応して一回だけ差しワラをしていたが、増し目をしたい時は一つの赤点に対して色塗りをしたように2回差しワラをすればよい。

差したワラの反対側をアルファベットのV字型に開けば、これで1目増えたことになる。

(15) このように所々に増し目をして芯ワラの露出を抑えつつ、円盤の直径が予定した寸法になるまで底編みを続ければよい。

** 底編みの直径は36cmが予定だが、その前に胴編みに変えるための準備が3cm手前から。つまり直径33cmになるまでこのまま編み進めてよいが、今日は疲れたので写真の大きさ30cmで作業終了!

●どこで増し目をするかは仕上がりの美しさに大きく影響するので、作り手の腕の見せどころとなります。

●本題からは外れますが、底編みの外周に縁取りのための飾り編み(入り口の底辺の編み方)を施せば、ワラ座布団になります。

以上、あとは次回の記載となります。

<次の記事は、猫ちぐらを作ろう(5):立ち上げ編 です。クリックしてください>

 

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テーマがなく節操のない写真集ですが、お時間がありましたら覗いていただけるとうれしいです。

 

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