たくさんのユズをいただいた時や、我が家のユズの木(2mぐらいの木が1本あります)が豊作だった時に備え、「ユズ搾り器」を製作しました。
世間にはどのようなユズ搾り器があるのかなと思いネット検索してみると、いろいろな搾り器が紹介されています。
業務用の大型の立派な搾り器は我が家には似合いませんので、小型の家庭用搾り器を作ることにしました。
選んだのは、多くの先輩方が作っているように、木製の板によりユズ玉を圧迫して果汁を搾るタイプの搾り器です。
効率よく搾るには、ユズ玉に切れ目を入れて搾るのが良さそうなので真似をし、切断用の刃物も取り付けることにしました。
結果として、割と具合のいい我が家専用の「ユズ搾り器」が出来上がりましたよ。
使用感は、既にブログの方で記事にしていますので、どうぞご覧ください。
この記事は、今回作った自作「ユズ搾り器」の製作に関する内容をまとめたものですが、特別難しい工作ではないので、備忘録として要点を拾い出したような格好でまとめてあります。
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構造・外観
上の写真が、出来上がった「ユズ搾り器」の外観です。
ユズを搾る部分は、板3枚を組み合わせて作ったカタカナのコの字形状をした樋になっています。
開口しているコの字の上側には上板を置き、この上板の片端は上板を円弧状に上下に動かせるよう回転軸固定となっています。
反対側の端は動かす時に操作しやすいよう、取っ手形状にしました。
で、それら肝心の部分を支えるように4本の脚が取り付けてあり、また、樋の中で搾ったユズジュースが流れやすいよう樋に傾斜がつけてあるという外観になっています。
材料調達と前加工
材料は家にある半端材で作れるかなと思ったのですが、食べ物を扱う木材には抗菌作用のあるヒノキ材を使うのが一般的とのことです。
少しばかりの材料費をケチって腹を痛くするのもイヤなので、私もヒノキ板を調達することにしました。
手元にあったユズ玉の直径を計ってみて、ほとんどが直径6~7cmであることを確認し、ホームセンターの木材コーナーを物色。
おあつらえ向きに、幅85mm、厚み20mm、長さ2mのヒノキ板を見つけました。値札は約0.6k円也。1枚ゲット。
それとユズを2つに割る刃物を用意しなければなりませんね。これは金属部品コーナーを物色。
長さ90mm、厚み2mmのステンレス製L金具を見つけました。これって、L字の片側の端、2mm厚みの所を斜めに擦りこんで尖らせたら、刃物代わり(刃渡り90mmのナイフ?)に使えませんかね?
そんな目論みを胸に、L金具1個と止めビスを購入しました。これもちょっとお高く、両方で約0.6k円也。
結局、板材と合わせて約1.2k円の出費となりました。
では、いよいよ製作にかかります。
2m板材からの材料取りは次のようにしました。
取っ手付き「上板」の長さ50cm、後で説明する「刃物サヤ兼圧迫板」の長さ20cm(これは長手方向に2つ割りして使う)、残り130cmはコの字樋とするため3等分、1個あたりの長さ43cm。
おっと、この材料取りの時の注意点!
「刃物サヤ兼圧迫板」を切り出す時に、先に20cmに切ってしまうと後から縦に2つに切ろうとしても、短いためノコギリがうまく使えません。
よって、20cm分を(板幅半分の所で)先に縦引きしておいてから切り出すと作業しやすいですね。
次に、目論見通りL金具で刃物が作れるか試してみたところ、結果オーライでした。
我が家では農機具メンテナンス用にハンドグラインダーを持っています。L金具を小さな万力で押さえ、金具の縁90mmの長さをやすり掛けしてみたら、簡単に削れます。
もちろん、刃先をカミソリのように鋭くする必要はなく、刃先に軽くユズ玉を押し当てながら刃先上を滑らせた時に、ユズ玉が刃先に刺さる程度に尖っていれば用が足りますので、ほどほどの削り具合としましたよ(これをL金具刃物と呼ぶことにします)。
やってはみませんが、ハンドグラインダーが無ければ、普通のヤスリでも、または刃物研ぎ用の荒砥石でも削れそうな感じがします・・・
製作手順といくらかの注釈、工夫
完成写真をジッとにらめば、どういう順番で作っていったかお分かりになりますよね。
そうです。まず最初に3枚のヒノキ板を合わせて木ネジで止め、断面コの字型形状の樋を作ります。
(以下、説明のため、樋を構成する板を底板、側板と呼ぶことにし、また、樋に傾斜がつくよう組み立てた時に、ユズジュースが流れ出る低い側を前、その反対側の高い方を後ろと呼ぶことにしますのでご承知下さい。)
次いで、樋の上側に蓋となる上板を取り付けますが、これには側板の回転軸中心位置から上板の厚み部分に木ネジ(コーススレッド)を打ち込むことにより取り付けます。
したがって、上板の取っ手を持って上下すれば、回転軸を中心にして蓋である上板を閉めたり開けたりすることができます。
また、この時には既に上板には「刃物サヤ兼圧迫板」を、底板には「L金具刃物」を木ネジで取り付けた状態にしておきます。
これで肝心のユズジュース搾り部ができあがります。あとはユズジュース搾り部を作業テーブル上の適当な高さに斜めに固定するため、脚を取り付ければ製作完了になります。
・・・えーと、このあとの説明はどうしましょ? さらに書き留めておくべき情報は、今までの説明では具体的に分からなかった構造部の説明と、具体的な寸法関係でしょうか?
では、現物の具体的な写真を見ながら説明を進めることにします。
ユズ玉圧迫部の構造
上板を開き、「L金具刃物」が見える樋の前の方を写した写真です。
上板の前の方に「刃物サヤ兼圧迫板」が取り付けてあります。
ユズを搾る時には、ユズ玉が動かないようユズ玉を「L金具刃物」に軽く刺し(刃物上を滑らすと刺さる)、そして上板を閉じると「刃物サヤ兼圧迫板」がユズ玉を圧迫して果汁を搾り出します。
この時、ユズ玉は真っ二つに切断され、「L金具刃物」の刃先は「刃物サヤ兼圧迫板」の隙間に収まります。
関係寸法は、「刃物サヤ兼圧迫板」は上板の前端から40mm、隙間幅は6mm、「L金具刃物」は底板の前端から100mm、離して取り付けてあります。
樋の中、高さ方向の関係
樋の中、後ろから前の方を眺めた写真です。
上板を目一杯閉じても、「刃物サヤ兼圧迫板」と底板の隙間がゼロミリメートルになるわけではありません。
上板を側板上面と平行にした時、隙間がちょうど1cmになるよう作ってあります。
これは、ユズの皮には香り成分と苦味成分が含まれており、搾りすぎると苦味が増すので厚みが1cmとなるぐらいの搾りで止めた方がいいですよ との先輩記事のお勧めによるものです。
搾り器前部付近の外観
上板の回転軸付近を撮ったものですが、かなりのピンボケですね。すみません。
側板上部にビスを打ち、水糸を張ったのは、上板の過回転防止のためです。これがないと上板を持ち上げた際、前の方に倒れてしまうのです。
この辺に水糸を張って、ちょうど直角ぐらいまで開く感じでしょうか。
糸止めビスの下側に見える少し浮き出た木ネジが上板の回転軸となる木ネジです。
側板厚みの部分でスムーズに回転させるため、皿の下(首下)にネジがない種類の木ネジを選びました。
でも太さが4mm弱なんですね。使ってみた感じではこれでも十分ですが、末代までこの搾り器を使うことを考えるなら、頭が皿ではなく六角で、もう少し太めの木ネジにしておくと良いかもですね(六角コーチスクリューというようです)。
それから、これは失敗談ですが、試運転時に思わぬ不具合が出ました。
水を流しながら動作試験をしてみたら、側板の内側、回転軸付近に消しゴムの撚りカスのような異物が発生しました。
側板間の寸法と上板の幅が同寸法であること、ヒノキ材が水を吸って膨れたこと等により、木目間の柔らかい繊維が擦れ合い、撚れ合い、出来た異物と思われます。
側板と上板の間に1mm厚ぐらいの金属ワッシャを入れ、また上板を外した際にその幅が狭くなるようにハンドグラインダーで木肌を削り解決しましたが、やはり同寸法の部材を擦り合わすのはよくないようです。
教訓!! 今後、新規に作る際には横着しないで、両者間に隙間ができるように考えて作るのが吉です。
関係寸法は、側板の回転軸中心位置、側板前端から50mm・側板上端から25mmの交点です。また、その位置に対応する上板側の位置は、上板前端から20mmの位置です。
脚の下側
こちらは、搾り器全体を下から見た写真です。
我が家の表面がデコボコな縁台上でユズ搾りを行うような場合を想定し、脚は4脚なれど床面に対して3点支持で自立するように考えました。
4脚ではガタガタするような床でも、3脚ならば安定しますからね。
今回作った絞り器の場合は前脚間に板を張り、中央に小さな木片を付けて、これを脚とみなす構造にしました。
また、搾り器の横幅が12cmぐらいなので横に倒れやすく、転倒しにくくするために後脚下面に長さ38cmの板を張りました。これが踏ん張ることにより、転倒防止についてもかなりグッドになりましたよ。
関係寸法としては、樋の前側高さ12cm、後ろ側高さ24.5cmとなっています。
なお、取っ手の長さは11cmとなっていました。
あと、樋の下部に貼ったガムテープが写っています。これは側板・底板接合部からの液漏れ(滲みによる滴下)を嫌った単なる気休め処置です。
あとがき
自分自身で搾ったユズジュースは格別ですよ。
ブログにも書きましたが、ユズジュース添加のお湯割り焼酎は最高の味です。
よろしかったら、有り合わせの材料を集めて「ユズ搾り器」を作ってみてください。
さあ、みなさま御一緒に、お湯割りユズ焼酎を楽しみましょうよ!
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